HOME > ブログ > 塗装の寿命を決めるのは『ケレン・洗浄』?見えない下地処理の裏側

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こんにちは!首都圏ハウスメンテナンス、広報担当の田中です!

「塗装の仕事は、ペンキを塗る前の準備で8割が決まる」

これは、塗装業界で長年現場に立つ職人なら誰もが口をそろえて言う言葉です。しかし、施主様からすれば「何色の塗料を選ぶか」「フッ素にするかシリコンにするか」といった仕上げの見た目や塗料の性能に目が行きがちかもしれません。

どれだけ1缶何万円もする最高級の塗料を使おうが、塗る前の「下地処理」を手抜きすれば、その塗装は数年でボロボロと剥がれ落ちます。塗装の寿命を決めるのは、塗料の性能ではなく『ケレン・洗浄』をはじめとする見えない下絵づくりなのです。今日は職人の目線から、その裏側と熱いこだわりをお話しします。

高圧洗浄:長年の「汚れ」と「旧塗膜」を根こそぎ削ぎ落とす

外壁や屋根は、10年以上にわたって雨風、紫外線、ホコリ、コケ、カビ、そして排気ガスの油分に晒され続けています。この上からそのままペンキを塗るのは、泥だらけの足にセロハンテープを貼るようなもの。どんなに粘着力の強いテープでも、泥ごと剥がれてしまうのは目に見えています。

そこで最初に行うのが「高圧洗浄」です。家庭用の高圧洗浄機とは圧力が段違いの工業用スペシャリスト機を使用します。

単に水で流す「お掃除」ではありません。こびりついたコケの胞子を根絶やしにし、紫外線で劣化して粉状になった古い塗料(チョーキング現象)を、強い水圧で削り落とす作業です。ここで古い膜や汚れを残してしまうと、新しい塗料は下地に密着せず、数年後に旧塗膜ごとペロリと剥がれてしまいます。塗る前の「完全な素地」を作るための第一歩が、この洗う作業なのです。

ケレン作業:鉄部の命運を握る「サビ落とし」と「密着性の創出」

下地処理の中でも、職人の腕、根気、そして職人魂が最も試されるのが「ケレン(錆落とし・目荒らし)」です。特にトタン屋根やシャッター、手すりなどの鉄部において、ケレンの質がそのまま塗料の耐久年数を決定づけます。

ケレンには、大きく分けてふたつの重要な役割があります。

  • サビの完全除去:浮き上がった赤サビを、皮スキ(金属ベラ)やワイヤーブラシ、電動のディスクサンダーを使って徹底的に削り落とします。サビをわずかでも残したまま上に塗料をかぶせても、塗膜の下でサビは生き続け、酸素とわずかな水分を得て内部から鉄を侵食します。
  • 目荒らし(あえて傷をつける):ツルツルした金属やサイディングの表面に、サンドペーパーなどで細かな微細な傷をつけます。表面積を増やし、塗料が引っかかるアンカー効果(足がかり)を作ることで、塗料の密着力を劇的に高めるのです。

真夏の屋根の上や真冬の風の中、粉塵にまみれ、手や腕をシビれさせながら鉄部を削り続ける作業は、お世辞にもスマートとは言えません。しかし、この泥臭い作業を妥協する職人に、本物は一人もいません。

ひび割れ・欠損補修:建物の悲鳴を塞ぎ、雨水の侵入を断つ

外壁にできたクラック(ひび割れ)や、サイディング目地のコーキング(シーリング)の切れ目を見逃してそのまま塗るのは論外です。

髪の毛ほどの細いクラック(ヘアクラック)なら下塗り材で埋まることもありますが、構造に達するような深いひび割れの場合、職人はあえて専用工具でひび割れに沿って「V字」や「U字」に溝を広げます。一見、外壁を傷つけているように見えますが、これはシーリング材を奥までしっかり充填し、接着面積を確保するための重要な工程です。

溝を清掃し、プライマー(接着剤)を塗布してから、防水性能の高いシーリング材を打ち込みます。下地そのものの傷みを治さずに上から色だけを綺麗に塗る行為は、虫歯の治療をせずに上から白いクラウンをかぶせるようなもの。外見は美しくなっても、中で病巣(雨漏りや構造の腐食)が進行し、建物自体の寿命を縮めてしまいます。

塗料の密着を高める「下塗りの選定」

下地がきれいに整ったら、いよいよ塗料の1回目である「下塗り(プライマー・シーラー・フィラー)」に入ります。仕上げの色(上塗り)とは異なる、白や透明の塗料です。

この下塗り材選びと塗り加減も、職人の経験値が問われるポイントです。 傷んだ下地は、まるで乾いたスポンジのように塗料を吸い込みます。吸い込みが激しい状態でいきなり上塗り塗料を塗っても、下地に吸い取られてしまい、本来の塗膜の厚みや性能が出ません。下地が「もう吸い込まない」状態になるまでシーラーを均一に染み込ませ、上塗り塗料との接着剤としての役割を完璧に果たせる状態を作ります。

本物の職人は「見えない工程」にプライドを持つ

下地処理と下塗りが終わった段階のお宅の外壁は、高圧洗浄で洗われ、削られ、補修跡だらけで、お世辞にも「綺麗になった」とは言えない見た目になります。しかし、この無骨で傷だらけの状態こそが、最強の塗膜を受け入れる完璧なステージなのです。

完成したとき、施主様の目に見えるのは一番上の「上塗り」の美しいツヤと色だけです。ケレンでどこまでサビを追って落としたか、高圧洗浄でどこまで古い膜を削ったか、シーリングをどれだけ丁寧に打ち込んだかは、完成後の写真からは誰にも分かりません。

だからこそ、下地処理には職人の「良心」と「プライド」がすべて現れます。

10年後、15年後に「この家に塗ったペンキは全然剥がれないね」「やっぱりあの職人に頼んでよかった」と言ってもらえるかどうか。その答えは、塗装前の見えない現場ですでに決まっているのです。

塗装をお考えの方は是非、首都圏ハウスメンテナンスまで!

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